2013年05月27日
第5回浄土宗平和賞、中野見夫師(尾張教区観音寺住職)が受賞
平成25年5月17日 京都
浄土宗平和協会平成25年度総会は5月17日、宗務庁(京都)講堂で行われ、その席上、「第5回浄土宗平和賞」の授賞式が行われた。今回受賞したのは、1970年、長男を水難事故で亡くし、あいつぐ水難事故の防止を訴え市民運動を続け、行政側に対し柵のない水路に管理責任を認めさせるなど地道な活動を続けてきた尾張教区観音寺(一宮市)住職中野見夫師、プレゼンターの大本山百万遍知恩寺法主服部法丸台下より、賞状、副賞の彫金レリーフ(日展参与三橋國民氏制作)、副賞50万円の目録を授与された。
浄土宗平和賞は、社会参加する寺院、住職を顕彰しようと、平成21年より設けられた。選考は、4月に行われた浄平協理事会で、推薦された3件(団体、個人)より、選抜された。
今回受賞した中野師は昭和14年生まれ、中学教諭退職後、観音寺住職。1970年に当時3歳の長男を水難事故で亡くした。当時、柵のない水路が当たり前の時代、こうした柵のない水路で水難事故が相次いだため、「柵作り」の市民運動を立ち上げ、一宮市では全国に先駆け柵作りに取り組むこととなった。この運動は全国に波及し、それまで親の責任とされていた水難事故も、行政側の管理責任が問われるようになった。危険箇所調査や安全パトロールを催し「子どもの安全と健康を守る会」として40年に渡り活動している。この運動により保守的な土地に市民意識を目覚めさせる結果にも繋がっていった。
子どもたちの生存権を守るため、行政等と連携し環境の整備に努めると共に、生きるものすべての生存権を奪う戦争のない世界にするための「憲法九条を守る運動」や子どもたちに戦争の悲惨さを伝える公演など各種市民団体とも連携して「いのち」と「平和」の大切さをテーマに精力的に活動している。平成16年には第52回中日社会功労賞を受賞。
服部台下より表彰される中野師